2010年2月22日月曜日

Avalanche Safety Training Courseその2

ふっと、


前のロック・クライミングのクラスを思い出しました。


Avalanche Safety Training、略称ASTの授業の試験が明日あるので、またまたブログでお勉強しようと思います。「いやー、自分には関係ないよ」って言う方もいると思いますが・・・、日本でも雪崩による被害や遭難が結構あるので(この前なんて観光バスが雪崩に巻き込まれたっていうし・・・)、ちょっとかじる程度に知っておいても良いと思いますよー。

コース概要:
Formation and Nature of Avalanches (雪崩の構造と性質)
Avalanche Terrain (雪崩が起こる地形)
Decision Making (判断)
Avalanche Safety Equipment (雪崩のための装備品)‐割愛します
Transceiver Search (トランシーバーによる埋もれた人の捜索)‐割愛します

コース講義:
1.Foundation and Nature of Avalanches

2つのタイプの雪崩
Loose Snow Avalanches:日本語訳では「点発生雪崩」。Starting Pointと呼ばれる一点(主に岩や木)から扇を広げたように起こる雪崩。Depositと呼ばれる土砂の様になった雪は多くの場合バラバラで、次に述べるSlabとは違い、固まった雪は見うけられない。
Slab Avalanches:「面発生雪崩」。Fracture Lineと呼ばれる雪の断面が斜面と平行に走りそのままスライドするように起こる雪崩。Depositは雪のブロックであることが多い。

雪崩のサイズ
Size 1 (Relatively harmless to people) :被害は比較的少ない。10t、10mのサイズ
Size 2 (Could bury, injure, or kill a person) :埋没、怪我、死亡の可能性あり。100t、100mのサイズ
Size 3 (Could bury or destroy a car, a small building, or break a few trees) :乗用車や小さい建造物の埋没又は破壊、樹林の破壊の可能性あり。1,000t、1,000mのサイズ
Size 4 (Could destroy a railway car, several building, or up to 4 hectares of forest) :列車、いくつもの建造物、または4ヘクタールの森林の破壊の可能性あり。10,000t、2,000mのサイズ
Size 5 (Largest snow avalanche known. Could destroy a village or a forest of 40 hectares) :今まで記録された最大の雪崩。村一つ又は40ヘクタールもの森林の破壊の可能性あり。100,000t、3,000mのサイズ・・・でかすぎぃ!

Avalanche Danger 3つの危険因子
1、Avalanche Terrain:地形
2、Unstable Snow:不安定な雪層
3、People and Facilities:人因

2.Avalanche Terrain

Avalanche Track 雪崩の通り道
Open,Channeled:雪原または森林帯の間のような木の無い所
Incline:斜面(15~50゜)、30~45゜でよく起こるといわれる
Mixed Terrain:さまざまな要因が重なるところ(地形、斜面、風向、幾つもの雪崩の道筋等)
など。

Common Terrain Features that Produce Avalanches 雪崩が起こりやすい地形の特徴
+ Convex Slope: 凸斜面
+ Below Cliff: 崖下
+ Exposed Rocks: 剥きだしの岩
+ Leeward Slopes: 風下の斜面
+ Below Cornices: 雪庇の下
+ Thinly Spaced Trees: まばらに点在する木
+ Shallow Areas in Snowpack (buried rocks): 薄い雪の層(特にすぐ下に岩が埋没しているような所)

3.Decision Making

3 Factors that create avalanches 3つの雪崩の要因
1. Avalanche Terrain
2. Unstable Snow
3. Trigger

Metamorphism 雪の変成作用 (Snowpackを分析する時に非常に重要になってくる)

+Rounding:雪の結晶から粒状に変化




+Facetting:粒状の雪の再結晶化




+Sintering:粒状の雪が結合しあう変化


Surface Hoer 表面霜
大気中の水分が冷やされ雪の表面上に作り出される霜のこと。針状、羽状、それらが束になった状態の物などがあり、いずれも非常に脆く弱い。この表面霜の上に雪が重なっていくとSnowpackにおいて非常に弱い層となる。として、気候条件によるが、一週間から一ヶ月もの間その状態を保つ。表面霜が作られる要因として、
+Clear Sky
+No direct sunshine
+Calm or light wind
+Open Slope
+Humid air
が挙げられる。

Factors in Snowpack Stability ~雪層の安定性を分析するにあたり~
+ Existence of weak Layers: 弱層の存在を確認
+ Cohesion of layers: 層の粘着
+ Bounding of layers: 層の結合
+ Load on weak layers: 弱層への荷重
+ Temperature: 雪中の温度
+ Over-all snow depth: 雪の深さ

Determination of Snow Stability ~雪層の安定性を判断するに当たり~
+ Snowpack data
+ Weather date
+ Avalanche data
から判断する。不安定な雪層に共通する現象はShooting Cracks(亀裂が走ること)、Whumphing and Hollow sounds(空気が雪層から漏れる音や空洞があるときに聞こえる音)そして、明らかですがAvalanche Activity(実際の雪崩の事象)が視られます。

Trigger 雪崩の引き金となるもの
+Weight of human: スキーヤーやスノーボーダーの体重
+Weight/vibration from snow machine: スノーモービル等による荷重や振動
+Additional snow load: 加重(風、雨、日照による雪の融解)
+Cornice falls:雪屁の決壊
+Rock fall:落石

以上のことを踏まえ、最終判断するにあたりExperience(経験), Knowledge(知識), Information(情報), To interpret data correctly(情報を正確に読み取る)の4つの項目が非常に重要になってきます。

これでも一部だけで、この他にSnow Stability TestやCompression Test、雪崩への対処法等があり、なかなか濃い・・・。でも、これらの知識は直接に己、仲間の命に関わってくるから、しっかりと覚えたいものです。

それと、最後の「判断」の4つの項目は、雪崩の為っていうだけでなく、例えばビジネスの分野とか、実社会でも重要な項目だと思ます。いわゆる「出来るやつ」って呼ばれている人はこの辺の判断能力が非常に高いと思うし、過去の経験、知識、集められた情報を元にした分析能力の必要性は今の日本にすごく大切なことじゃないかなって思います。

今後、「野外教育では人生を学べる」ということが広く伝わっていくといいなぁ。


参考:
Sherrington, Ian. (2010). Avalanche Safety Training Course. Mount Royal University. PHED 2406. Retrived Feb. 19th, 2010 from Blackboard site http://courseware.mymrc.ca/webapps/portal/frameset.jsp?tab_id=_2_1&url=%2fwebapps%2fblackboard%2fexecute%2flauncher%3ftype%3dCourse%26id%3d_79911_1%26url%3d.

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