2009年12月6日日曜日

Intro Rock Climbing Class

ふっと、


書いちゃいました。


今、大学のクライミングのクラスのアシスタントをやっているのですが、今度そのクラスの筆記試験があるみたいなんです。で、Nobuはその授業を受けた事なく、教授に「筆記試験だけ受けて」っていわれたので、受けることに。
しかし、ただ勉強するのもなんかつまらんと思い、ブログに書くことにしました。ってことで今回は初級クライミング講座です。経験者&興味のない方にはつまんないかなー。あ、でもどんな感じでCanadaでは教えているかってのがわかって面白い・・・かも・・・。

シラバス
Course Description(授業概要)
登攀技術を網羅するこの授業では、すべての基礎知識から初歩的なリードクライミング技術までの習得を目指し、口頭による安全確認、判断を実践的に養う。
Learning Outcome(履修による得られる成果)
コミュニケーション、思考技術、団体行動による相互関係、情報収集能力、自己判断能力、及び倫理観の向上。
Course Evaluation(授業の評価
  1. 出欠          10%
  2. リサーチ(小論文)  20%
  3. 授業態度       10%
  4. 期末筆記試験    30%
  5. 期末実技試験    30%
Course Schedule(授業予定)
講義)クライミング史・価値観、装備品、グレードシステム、危険要素、緊急時の対処法、人口壁と倫理観
実技)ボルダーリング、ハーネスと結び、ビレー技術、呼びかけ、トップロープ・クライミング、レスキュービレー、懸垂下降、自己レスキュー、安全支点、プロテクション、リードクライミング

ってな感じの内容で、講義の内容は・・・。

クライミング史
1492 Mt. Aiguille初登(フランスのチャールズ7世の軍隊における軍事活動)
1786 Mt. Mont Blanc初登(BalmatとPaccardによる調査隊)
1865 Mt. Matterhorn初登(Edward Whymperの遠征‐レクリエーションのカテゴリー‐)
1953 Mt. Everest初登(Edmund HillaryとTenzing Norgayの国威をかけた国際競争)
1983 Mt. Everest初登(SkresletとMorrowの同じく国威をかけた遠征)
1986 Mt. Everest北米出身女性の初登(Sharon Wood)

クライミングのグレードの種類
クラス
クラス1 丘陵歩き
クラス2 登山
クラス3 Scrambling(スクランブル登攀)
クラス4 アルパインスタイル
クラス5 フリークライミング
クラス6 エイド・クライミング(人工登攀)

ヨセミテ・デシマル(クラス5)

5.0-5.15c

エイドクライミング(クラス6)

A0 道具による人口登攀
A1 安全な人口登攀
A2 不自然なプロテクションではあるが比較的安全な人口登攀
A3 非常に悪いプロテクション。比較的短い滑落
A4 危険な体重移動による人口登攀。移動中の他の動作はほぼ不可。死の危険大。
A5 非常に危険な体重移動。最低20mの滑落及び死の可能性最大。

グレード

Ⅰ 1時間から30分のクライミング
Ⅱ 半日クライミング
Ⅲ 一日クライミング
Ⅳ 丸一日クライミング
Ⅴ 一泊クライミング
Ⅵ 遠征クライミング

危険要素(Hazards)
Endogenous(内因性危険因子)
  • 疲労
  • 低体温症(寒さ、湿度など。震え、記憶障害、意識不明が起こる。)
  • 脱水症状(指の膨張、水腫、判断速度の低下)
  • 軽率・不注意(エゴ、環境の過小評価、自己能力の過大評価、性急さなど)
  • 応急処置のミス
Exogenous(外因性危険因子)
  • 気候(風雨、落雷、日照など)
  • 落石(浮石も含む)
  • 野生動物
  • 装備品の欠陥(メインテナンスの欠如)
緊急時の対処法
パートナー(被害者)と自分だけの場合
  1. 状況確認
  2. 自己の安全確保
  3. パートナーの安全確保および更なる被害・怪我の防止
  4. コミュニケーション(1、被害者 2、他の人々)
  5. 被害・怪我の経過の確認と予知
  6. メディアへのコメントは差し控える
助けを求めにいく場合次の項目をメモにして残す
  • 事故の時間
  • 正確な場所
  • 症状
  • 必要な処置
  • 状況の経過

倫理
Legal Insanity(法的責任能力)
M'Naughton Rule (1840)‐定義‐ 正否判断の無能
過去の倫理に関する議論
  • 裸足とラバー
  • プロテクション(エイドとフリー、クリーンプロテクションとボルト&ピートン)
  • チョーク(白チョークと岩に合わせた色のチョーク、チョークマークとチョークの清掃)
  • ボルト(ボルトの正否、ボルト間隔、岩に合わせた色のボルトの使用、既存のボルトの回収、古いボルトの安全性)
  • Hang-Dogging‐登攀最中にロープにぶら下がりながら休む事‐
  • チッピング(岩を削って登れるようにする事)と岩の接着
  • ドライツーリング(ピッケル・アイスツールを使用した岩の登攀)
  • 私用地・公用地における使用料
  • アクセスの規制(私用地における法的義務、トイレ問題、自然・野生動物・文化遺産保護)
と、まぁ、(これでも)簡単・簡潔に書いたつもりですが、結構いろんなコト学びます。一応やっぱり大学の授業の一環だからかなぁ。北米では、こうした野外教育、体験教育の重要性を認識してて、ただ単に楽しむと言うだけでなく、体験を通して、

Group Dynamics(集団力学)
Critical Thinking(批判的思考法)
Decision Making(自己判断)
Responsibility(責任感)

といった講義ではなかなか得られにくい分野も学びの対象としています。考える力。その重要性が日本にももう少し広まっていったらいいなと思います。Nobuの就職難が解消されるだろうし・・・。

2 件のコメント:

Ryoko Betty, Aosaki さんのコメント...

adventure education、全く知らない人にその概念を説明すること、日本では何度も苦労しています。説明が下手なのかな、と自己嫌悪・・・

「クライミングなんてそんなの無理~」って、そこから先に進まない。

でも、「地球」「自然」はなにより大きな教室、先生なんだよね!

Nobu さんのコメント...

お久しぶりです!っていってもちょくちょくブログ読んで楽しませてもらっているから、そんなにお久じゃないかなぁ。
まぁ、しかし、日本の現状ってすごく気になります。どんなふうにこの分野って捉えられているのかなぁって。まだまだ発展途上なのかなって推測してますが、前途が多難な方がやりがい、伝えがいがありますよねー。
りょうこさんの旅を体験した人は必ず伝わっていますよ。だから、今後も頑張ってくださーい!